光一さんのことやMAのこと、日々のことを書き連ねる爽の生存確認ブログ。
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せっかく再開したので、短いながらも小説を更新してみました。
まともに書くのが久しぶり過ぎます(^^;
とりあえず優しい前向きなお話を、と思ったんですがやっぱり100%明るい話は無理だなあ。
と言う訳で、こんな感じで小説も時々更新出来れば。
まともに書くのが久しぶり過ぎます(^^;
とりあえず優しい前向きなお話を、と思ったんですがやっぱり100%明るい話は無理だなあ。
と言う訳で、こんな感じで小説も時々更新出来れば。
「Dear Place」
今年は随分と長い時間一緒にいられるな、と思う。ここ最近では一番じゃないだろうか。
もしかしたら、これから先、剛と一緒にいられないんじゃないかと思ったこともある。自分たちの指先が離れる予感が確かにあった。
今もまだ、その感覚はあるのだけれど。
せっかく一緒にいられるのなら、余計なことは考えずにいたかった。
「剛」
「あれ、光ちゃん」
「ん?」
「その色、可愛い」
「あー、今日は衣装やから。可愛い?」
「うん。お前はもう少し可愛いの着てた方がええな。これ、買い取ろか」
「ええよ、別に。冬の服、あるもん」
楽屋に入るなり、剛の手が衣装へと伸ばされた。淡雪のようなふわふわしたトップスは、さっきまでジャケットに隠されていてあまり分からなかったけれど。
室内の暑さで脱いだのが失敗だった。嬉しそうに笑う剛にあっという間に抱き締められる。
別に、2人きりだから何も困らないけれど。
こーゆーのは、家でだけにして欲しいなあと思う。
「剛」
「光ちゃんが可愛いとテンション上がるなあ」
「じゃあ、あんま上がらんやろ。いっつも」
「いやいや、結構常に上がってますよ。お前は、存在自体が可愛いから」
「……訳分からんこと言うな」
慣れた指先に首筋を撫でられるだけで、力が抜ける。駄目な大人になってしまった。
またたびを与えられた猫のように、簡単に剛の思うように身体が懐いてしまう。嗅ぎ慣れた煙草の匂いすら、安心材料だった。
「お前と一緒やと、毎日調子ええのになあ。もうすぐ、そんな時期も終わるんやね」
「……うん」
うそつき。
俺と一緒なの、嫌がってたくせに。
心の中だけで思う。剛の声や指先から、それが本心からだとは分かっていた。
けれどもう、光一は辛かった自分を知っている。世界中から拒絶されたに等しい絶望を見てしまった。
でも。
今こうして一緒にいられるのなら、良いと思う自分も真実だ。彼が自分を望んでくれる限り、怖がらずに生きて行けた。
当たり前の仕草で、剛の背中へ腕を伸ばす。互いの存在だけで生きていた時期もあった。
あの頃よりは健全だろうと、光一は静かに笑む。少しだけ距離を置いて、互いを別々のものだと認識した。
未だに分からない部分もあるけれど、多分もう剛以上の存在は現れないだろう。
「また、冬が来るな」
「うん」
「今年は、久々にウチの実家来るか」
「ええの」
「うん。たまにはまともな正月味わおうや」
「久しぶりやなあ」
「なあ。正月終わったら、お前を取られてまうから、それまでは一緒にいよな」
「ふふ。別に、俺誰にも取られへんよ」
「阿呆か。めちゃめちゃ取られてるやないか。俺の最大のライバルはSHOCKやからな」
「お前、阿呆や。何でそこを比べんねん」
「舞台も帝劇もカンパニーも全部敵やもん」
「MAも?」
「おう。SHOCKの時期はな。俺より光ちゃんと一緒にいる奴は全員ライバルや」
笑いながら言う剛の言葉が、表情程冗談ではないことを知っているけれど。
まあ、良いや。
昔は自分の方がずっとずっと焼きもちを妬いていた。少し位、同じ気持ちを味わえば良い。
「じゃあ、後ちょっと。一緒にいてな」
「当たり前やろ」
上目遣いで剛を見れば、嬉しそうに目尻を綻ばせる。あ、好きな顔。
思って、でもどんな顔でも好きなんだよなあと思い直す。何でも良い。剛が剛なら。
あと剛といられる時間はどれ位だろう。
一緒にいられる温かい時間にカウントダウンをしながら、光一はゆっくりと目を閉じた。
ここが、世界で一番愛しい場所。
今年は随分と長い時間一緒にいられるな、と思う。ここ最近では一番じゃないだろうか。
もしかしたら、これから先、剛と一緒にいられないんじゃないかと思ったこともある。自分たちの指先が離れる予感が確かにあった。
今もまだ、その感覚はあるのだけれど。
せっかく一緒にいられるのなら、余計なことは考えずにいたかった。
「剛」
「あれ、光ちゃん」
「ん?」
「その色、可愛い」
「あー、今日は衣装やから。可愛い?」
「うん。お前はもう少し可愛いの着てた方がええな。これ、買い取ろか」
「ええよ、別に。冬の服、あるもん」
楽屋に入るなり、剛の手が衣装へと伸ばされた。淡雪のようなふわふわしたトップスは、さっきまでジャケットに隠されていてあまり分からなかったけれど。
室内の暑さで脱いだのが失敗だった。嬉しそうに笑う剛にあっという間に抱き締められる。
別に、2人きりだから何も困らないけれど。
こーゆーのは、家でだけにして欲しいなあと思う。
「剛」
「光ちゃんが可愛いとテンション上がるなあ」
「じゃあ、あんま上がらんやろ。いっつも」
「いやいや、結構常に上がってますよ。お前は、存在自体が可愛いから」
「……訳分からんこと言うな」
慣れた指先に首筋を撫でられるだけで、力が抜ける。駄目な大人になってしまった。
またたびを与えられた猫のように、簡単に剛の思うように身体が懐いてしまう。嗅ぎ慣れた煙草の匂いすら、安心材料だった。
「お前と一緒やと、毎日調子ええのになあ。もうすぐ、そんな時期も終わるんやね」
「……うん」
うそつき。
俺と一緒なの、嫌がってたくせに。
心の中だけで思う。剛の声や指先から、それが本心からだとは分かっていた。
けれどもう、光一は辛かった自分を知っている。世界中から拒絶されたに等しい絶望を見てしまった。
でも。
今こうして一緒にいられるのなら、良いと思う自分も真実だ。彼が自分を望んでくれる限り、怖がらずに生きて行けた。
当たり前の仕草で、剛の背中へ腕を伸ばす。互いの存在だけで生きていた時期もあった。
あの頃よりは健全だろうと、光一は静かに笑む。少しだけ距離を置いて、互いを別々のものだと認識した。
未だに分からない部分もあるけれど、多分もう剛以上の存在は現れないだろう。
「また、冬が来るな」
「うん」
「今年は、久々にウチの実家来るか」
「ええの」
「うん。たまにはまともな正月味わおうや」
「久しぶりやなあ」
「なあ。正月終わったら、お前を取られてまうから、それまでは一緒にいよな」
「ふふ。別に、俺誰にも取られへんよ」
「阿呆か。めちゃめちゃ取られてるやないか。俺の最大のライバルはSHOCKやからな」
「お前、阿呆や。何でそこを比べんねん」
「舞台も帝劇もカンパニーも全部敵やもん」
「MAも?」
「おう。SHOCKの時期はな。俺より光ちゃんと一緒にいる奴は全員ライバルや」
笑いながら言う剛の言葉が、表情程冗談ではないことを知っているけれど。
まあ、良いや。
昔は自分の方がずっとずっと焼きもちを妬いていた。少し位、同じ気持ちを味わえば良い。
「じゃあ、後ちょっと。一緒にいてな」
「当たり前やろ」
上目遣いで剛を見れば、嬉しそうに目尻を綻ばせる。あ、好きな顔。
思って、でもどんな顔でも好きなんだよなあと思い直す。何でも良い。剛が剛なら。
あと剛といられる時間はどれ位だろう。
一緒にいられる温かい時間にカウントダウンをしながら、光一はゆっくりと目を閉じた。
ここが、世界で一番愛しい場所。
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わーい
更新嬉しいです!辛かった過去はずっと光ちゃんの中に消えずにあるんだろうけれど
それでも今が幸せの中にいられるのならそれは
嬉しいことだな~って思えて、優しいお話でした!
素敵なお話ありがとうございましたw
それでも今が幸せの中にいられるのならそれは
嬉しいことだな~って思えて、優しいお話でした!
素敵なお話ありがとうございましたw
おかえりなさい
お元気そうで何よりです。
サイトを休止という言葉にぎょっとしましたが、またお会いできてとても嬉しいです。
TKを叫んでくださるブログも小説と同じくらいとても好きなので、(生存報告をしてくださった方のサイトの日記とか)またちょくちょくお邪魔させてください。
サイトを休止という言葉にぎょっとしましたが、またお会いできてとても嬉しいです。
TKを叫んでくださるブログも小説と同じくらいとても好きなので、(生存報告をしてくださった方のサイトの日記とか)またちょくちょくお邪魔させてください。
はじめまして。 >ゆんさん
もうあんまりご新規の方はいらっしゃらないだろうなあ、と思っていたので嬉しいです(笑)。
ありがとうございますvv
更新頻度は亀より遅いですが、どうにか停滞せずに続けて行きたいので宜しくお願いしますー♪
ありがとうございますvv
更新頻度は亀より遅いですが、どうにか停滞せずに続けて行きたいので宜しくお願いしますー♪
更新しましたー。 >ちいこさん
せっかくなので、甘ったるいお話が書きたかったのに、やっぱり無理でしたね(^^;
過去はリセット出来ないけど、未来に一緒に進もうとする強さをそろそろ見つけられたんじゃないかな、と思う今日この頃です。
こちらこそ、読んで頂きありがとうございましたvv
過去はリセット出来ないけど、未来に一緒に進もうとする強さをそろそろ見つけられたんじゃないかな、と思う今日この頃です。
こちらこそ、読んで頂きありがとうございましたvv
ただいまですー。 >みおさん
お久しぶりです。
サイトの方、もう少し言葉を変えた方が良いかもですね(^^;
確かにビックリするかもです。
小説よりは日々のことの方が多くなっちゃうかと思いますが、宜しくお付き合い頂ければ幸いですvv
サイトの方、もう少し言葉を変えた方が良いかもですね(^^;
確かにビックリするかもです。
小説よりは日々のことの方が多くなっちゃうかと思いますが、宜しくお付き合い頂ければ幸いですvv
ご無沙汰です。
復帰?おめでとうございます。
ちょっと心配してたのですが、先日オンリーにお伺いし新刊を手にしてホッとしました。
で、こちらにお邪魔できてうれしいです。
今日は新作!やっぱり爽さんのお話大好きです。なんか、癒される感じと切ない感じが絶妙なんです。またゆっくり待ってますんでUPして下さいね(笑)
コン行って来ましたがヨネが剛さんの影響でどんどん光ちゃんへのつっこみがきつくなっていて笑えます。でもMAの2人ホントいいポジションに落ち着いてきたなと…
寒いですが風邪などひかないように気をつけて下さいね。
光でした。
ちょっと心配してたのですが、先日オンリーにお伺いし新刊を手にしてホッとしました。
で、こちらにお邪魔できてうれしいです。
今日は新作!やっぱり爽さんのお話大好きです。なんか、癒される感じと切ない感じが絶妙なんです。またゆっくり待ってますんでUPして下さいね(笑)
コン行って来ましたがヨネが剛さんの影響でどんどん光ちゃんへのつっこみがきつくなっていて笑えます。でもMAの2人ホントいいポジションに落ち着いてきたなと…
寒いですが風邪などひかないように気をつけて下さいね。
光でした。
お久しぶりです。 >光さん
ご心配お掛けしまして、本当にごめんなさいでした。
無事復活と相成りまして。
これからも是非、宜しくお願いします。
オンリー、新刊お手に取って頂けたのですねvv
ありがとうございます。
大好きと言って頂けるのは、本当にありがたくも嬉しいことだなあ、と。
ゆっくりになっちゃうと思いますが、アップして行きたいと思うので楽しみにしていて下さい。
無事復活と相成りまして。
これからも是非、宜しくお願いします。
オンリー、新刊お手に取って頂けたのですねvv
ありがとうございます。
大好きと言って頂けるのは、本当にありがたくも嬉しいことだなあ、と。
ゆっくりになっちゃうと思いますが、アップして行きたいと思うので楽しみにしていて下さい。